避難訓練
みなさんこんにちは。periwinkleの深澤健です。
先日、家族みんなで晩御飯を食べている時に、子供たちが幼稚園での事を話してくれました。
その日は竜巻が来た時の避難訓練をしたという事で、私たちに避難の際の注意点を教えてくれました。
・ガラスの近くに行かない事
・頭を押さえて床に伏せる事
なのだとか。
では家にいる時に竜巻が来たとしたら、家の中ではどこに逃げたらいいかみんなで話し合おうという事になり…
子:「2階でお布団にくるまったらいいんじゃない?」 → 2階の窓が割れたら屋根が飛んでくかもしれない。
子:「ソファの下は?」 → 近くに窓めっちゃあるやん。そもそもソファの下入れないやん。
子:「テーブルの下は?」 → 窓は近くにあるけどまあまあ良いかも
子:「あ!お風呂!」 → 窓あるけど小さいし良いと思う
子:「じゃあ玄関は?」 → お風呂より広いし、窓無いし良いと思う
というわけで竜巻発生時に我が家は玄関かお風呂に避難する事になりました(笑)。
その流れで、地震の時はどうする?と聞くと、二人そろって「テーブルの下に隠れる!」と。
幼稚園の先生方の徹底した避難訓練のおかげでちゃんと身についているようです。本当にありがとうございます!
地震は確かに怖いけど安心して!この家は地震に強いんだ!と子ども達に改めて教えたのでした。
ホントに地震が来た時は…
その翌日のこと、茨城県で震度4の地震が発生。我が家も少し揺れを感じました。
たまたま2階で一人で遊んでいた3歳の娘は、地震の話を前日にしたせいか揺れを感じた瞬間パニックに!泣いてへたり込んでしまい身動きが取れない状態になってしまいました。結局妻が迎えに行ったわけですが、建具の揺れる音とか1階から聞こえる「地震だ」という声とか2階に一人という状況とか、揺れによって発生した様々な不安が恐怖になってしまったようです。
大人になると揺れの怖さだけでなく、その揺れによって倒れてくる家具や建物によってもたらされる危険が予測できる分さらに怖さを感じます。訓練とホントの地震はまったく別もの、違うんですよね。
これが南海トラフ地震だったら、自宅ではなく別の場所にいたら、家族と離れていたらと色々なシチュエーションを想定しておくことも必要だなと改めて感じた出来事でした。
耐震等級3
地震の話になったので耐震の話を。
periwinkleの基本仕様は「耐震等級3」。子供たちにこの家は地震に強いと言った根拠はこれです。

建築基準法で定められているのは「国民の生命の保護」を目的とする「最低の基準」であり、生きる為の『最適基準』ではありません。この最低限の基準は「仕様規定」と呼び、この仕様で建てられた住まいは『耐震等級1』に該当します。
建築基準法という法律で定められているがために、地震に耐えられる耐震性と思われるかもしれませんが、大地震の際、人命は守れるけれど倒壊はしないレベルのダメージを受ける(住み続けられない)耐震性になっています。
それでも法律違反ではないからと耐震に関してあまり気にしない人もいます。でも法律を守っていればそれでいいのでしょうか?いやダメですよね!

大地震で命を落とすのは、大半が人間です。私たちの仕事は住まい手の方々の命を守る住まいを提供する事。建築のプロとして安心・安全な住まいをつくる責任があります。
その為に必要なのは最低基準ではなく、最適基準=許容応力度計算による耐震等級3と考えています。
前述の茨城の後も北海道でも能登でも地震が起きました。地震速報を見る度にお客様に『安心』して暮らして欲しいと願うばかり。
そういえば、地震保険を含む火災保険の料金も上がっていたり、昔は一括30年なんてのも可能だったのが今は最長5年にまで短縮されてしまいました。理由は地震をはじめとする自然災害が増加しすぎて予測が出来なくなってしまったから。将来は毎年の契約になるのではないかと言われています。
確かに「ゲリラ豪雨」や「竜巻」なんて毎年天気予報で聞くワードになってしまいましたよね。
竜巻の避難訓練もやるわけだ…。
地域を守るための耐震
地震に強い家をつくる事は住まい手の命を守る事に繋がりますが、それ以外にも役割を持っています。
もし、道路に向かって自分の家が倒れて道を塞いでしまったら、どんな想像ができますか?

・救急車や消防車は通れなくなります。
・塞がれた道の先が避難所だったなら、危険な道を引き返しう回路を探さなくてはいけません。
・渋滞が発生し、さらに救助や避難が遅れるかもしれません。
・地震が起きたのが登下校の時間帯だったら。もしかしたら誰かを巻き込んでしまうかもしれない
・・・
想像するだけで怖い…。特に最後のは、絶対にあってはならない起こしてはいけない事。住まい手のご家族だけでなく地域の方々の安全を守るのも建築の役目です。新築だけでなく既存の建物でも役割は同じ。安心・安全な家づくりは地域貢献にもつながっていると考えています。
既存の建物では実際どうなのか。リノベ工事で耐震等級3の耐震性を確保するのは難易度が上がります。
ですのでウォールスタット等ソフトを使用して、耐震性の向上を目指す方法もあります。実際に伊勢崎市で耐震・断熱リノベを行った案件ではウォールスタットでシミュレーションを繰り返し、阪神淡路大震災の揺れに耐えられる耐震性に性能向上しました。
また、強い建物には強い地盤が必要ですが、仮に軟弱な地盤だっだとして、軟弱だからと言って耐震等級1で良いかというとそうではありません。軟弱で揺れやすい地盤に耐震性の低い建物がたっていたら、倒壊や大きな損傷につながる事は簡単に想像がつきますよね。軟弱な地盤だからこそ耐震性を向上すべきです。
ウォールスタットは地盤の強さもシミュレーション出来るので、こういったシチュエーションでも役に立ちますね。
避難訓練から話が飛びましたが、耐震性に関して私の考えです。『安心・安全』の上に「幸せ」な暮らしは成り立っています。家づくりを通して住まい手の地震に対する不安が少しでも軽減できれば幸いです。
今週もブログを読んで頂きありがとうございました。
3才の娘がボソッと「私アイドルになりたい。」と突然言い始めました。深澤家に激震が走りました…。
深澤
periwinkle
-Simple Sustainable Serenity-
シンプルでゆったりと続いていく穏やかな暮らし
ペリウィンクルは群馬県前橋市で、高気密・高断熱住宅の新築・リフォーム・リノベーションの設計、施工を行っています。
耐震等級3(許容応力度計算)・UA値0.34・C値0.3・自然素材・工務店
前橋市・伊勢崎市・高崎市・みどり市・桐生市・玉村町
このブログを書いた人

深澤 健(ふかさわ けん)
1982年生まれ
家族…………妻、息子、娘、ドジョウとメダカとテトラ、カブトムシとクワガタ(夏のみ)
好きなモノ……コーヒー、美術館、ラジオ、ウィスキー、スポーツ鑑賞
動物占い………ペガサス
仕事……………住宅設計、現場監理
資格……………2級建築士・環境省うちエコ診断士・暮らし省エネマイスター・木構造マイスター準1級
