グラスウールのこと

みなさんこんにちは。periwinkleの深澤健です。

娘の七五三でした。実は予定していた日に息子がインフルエンザになってしまい、あえなく延期となり昨日となりました。

本格的にな冬の到来を感じる日が数日続きましたが、当日はありがたい事に風も無くあたたかく過ごしやすい日に。

私の祖母の家の近くの産泰神社へ。
この神社には子供の頃おばあちゃんちに遊びに行くと、少し年上のいとこが連れて行ってくれた境内があります。よく遊んだ場所でしたが今はその面影も薄れ、映えスポット化していますね。ピンク色のかわいい撮影用パネルの前で「写真撮るよー」と声を掛けたところ、舌を出すロックな娘。
パネルの絵をよく見るとperiwinkleのシンボルマークみたいなの発見!

ピンク色に染まった境内で思い出してしまうのはなぜか断熱材のグラスウール。病気ですね((笑)。
と言うわけで今週はグラスウールにフォーカスしてみます。

ピンク色のグラスウールの思い出

periwinkleの壁断熱材はグラスウール。具体的にはパラマウント硝子工業製のグラスウールを基本仕様にしています。

パラマウント硝子社のグラスウールと言えばこのインパクト大のピンク色!
昨年、パラマウント硝子工業さんのグラスウール製造工場を群馬の仲間達と共に見学に行きました。

こちらのグラスウール、原材料の約95%が割れたガラス瓶や窓ガラス等の本来ゴミとなるガラスです(残りの5%は接着剤など)。
不要になったガラス片をリサイクルして作られているという点が私がグラスウールを好きな理由の一つです。
昨年の工場見学では、そのガラス片を高温で溶かして線状にし、断熱材に成型していく過程を見学できました。
他メーカーが原材料の80~85%をリサイクル材を使用しているのに対し、パラマウント製の95%というのは驚異的な数値ですし、「リサイクル」に力を入れていることがよくわかります。素晴らしい企業努力ですよね。

そんなグラスウールの話です。

弱点

先日、断熱の事をまとめたブログを書きました。↓

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断熱工事には当然断熱材が必要になります。
しかし一言で断熱材と言ってもグラスウールにウレタンに羊毛にセルロースにフェノールフォームに…と多種多様。さらにそれぞれにメーカーが複数社ありますから、何をどう選んでいいのかわからなくなりますよね。
今回はそれぞれの断熱材の特徴を書く‥‥つもりはないです(笑)。グラスウールの事だけ。

まず知っておく事として、断熱材には「弱点」といえるものが存在します。それは水蒸気を引き寄せてしまう事。全ての断熱材に共通する事です。
断熱材の前と後ろでは温度の変化と共に湿度の変化が起こります。起こりうる壁内の結露を防ぐために室内側に防湿層を設けるわけですが、温度環境によっては結露が防げない場合もあります。

そんな事態になった時、断熱材の選択を間違えてしまうと水分を含んでしまい、その水と化学反応を起こして性能が低下する『加水分解』してしまうリスクがあります。その為、加水分解を起こさない断熱材を選択する必要があるわけです。
グラスウールに関しては、原料がガラス繊維ですので加水分解の心配はありません。万が一結露しても、透湿抵抗の高い素材ですので、それを考慮して水蒸気が逃げるルートを考えておく必要があります。

加水分解をしない無機質素材である為、耐用年数が長い(理論上は半永久的)事もメリットですね。そのうえ耐熱限界も約180℃と高い。

リノベーションなどで既存の壁をはがしてみると昔のグラスウールが残っている事があります。上記のような特徴がある事から古いグラスウールを残したまま断熱改修をすることもあります。
新しい断熱材はしっかり施工した上で、古いグラスウールの性能に劣化はほぼ無いのでおまけ的に残すケースも多いです。

グラスウールとの付き合い方

私がグラスウールを選ぶ理由が伝わりましたでしょうか?

新築で使用する材木は乾燥しているとはいえ時間の経過とともに痩せていきます。そうなると断熱材と木の間に隙間が生まれ、断熱欠損となり気密性も下がってしまいます。そうならない工夫をするのが私たちの役目でもありますし、そんな工夫ができる施工性も断熱材を選ぶ要素になってくると思っています。

また、専門の施工業者がいる断熱材と違い、現場の大工さんの手作業による施工になります。その為必要なのはグラスウールを壁に隙間なく充填する技術と防湿気密工事の高い技術。またその技術をどんな現場でも維持できる知識も必要になってきます。そういった「施工が難しそう」というイメージもあって敬遠される事もあるようですが、新築だけでなくリノベ、もっとちいさなリフォーム工事にも応用が利くので非常にありがたく思っています。

最終的に何が言いたいのかと言えば、「現場で施工してくれている大工さん、ありがとうございます。」これにつきます(笑)。

今週もブログを読んで頂きありがとうございます。
今年もあと一か月を切りましたね。お気に入りのコーヒーショップきゃろっとから私に幸せをもたらしてくれる豆が届きました。コーヒーを飲みながら2025年の残りの1日1日を大切に過ごしていきたいと思います。
あたたかい部屋でアイスコーヒーを飲むのが好みです。飲むの楽しみ!

深澤

periwinkle
-Simple Sustainable Serenity-

シンプルでゆったりと続いていく穏やかな暮ら
ペリウィンクルは群馬県前橋市で、高気密・高断熱住宅の新築・リフォーム・リノベーションの設計、施工を行っています。
耐震等級3(許容応力度計算)・UA値0.34・C値0.3・自然素材・工務店

前橋市・伊勢崎市・高崎市・みどり市・桐生市・玉村町

このブログを書いた人

深澤 健(ふかさわ けん)
1982年生まれ
家族…………妻、息子、娘、ドジョウとメダカとテトラ、カブトムシとクワガタ(夏のみ)
好きなモノ……コーヒー、美術館、ラジオ、ウィスキー、スポーツ鑑賞
動物占い………ペガサス
仕事……………住宅設計、現場監理
資格……………2級建築士・環境省うちエコ診断士・暮らし省エネマイスター・木構造マイスター準1級

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