温湿度データ公開②-夏編―

みなさんこんにちは。periwinkleの深澤健です。

いよいよ12月ですね。
週末に久しぶりに昆虫の森に行ってきました。今回はいとこ家族とともに。

紅葉がきれいでした。季節は秋ですが、昆虫はもう越冬の準備に入っているようで、ぱっと見姿を消してしまっていました。土の中に入ってしまったり、落ち葉の裏に張り付いていたり、卵のままであったりと形は様々ですが、静かに春を待ち続けます。

ここは緑豊かで、夏にはホタルがいたりオニヤンマやギンヤンマが飛んでいたりと、それは魅力的な場所なんです。ですが、この時期は子供たちには物足りないようで「「つまらない季節!」と言いながらも、落ち葉やドングリ拾いをしたり、池にいるメダカを観察したりとそれなりに楽しんでいました。

昆虫はやっぱり「夏」がおもしろいよなー。

夏の温湿度

前回は冬の実測でしたが、今回は「夏」です。

建物の条件、計測箇所等は変わりませんので、前回のブログをご確認ください。

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夏の快眠をめざす

まずは2024年の8月のデータをご覧ください。

平日の日中は不在ですので、快適さはあまり気にしていないのですが、夜の時間帯は睡眠という大事な時間がありますので、快適に心地よい睡眠をとりたいと思っています。まず第一に2Fエアコンと寝室が離れている為、エアコンの冷えた空気を寝室に取り込む事を考えました。
方法として寝室の入り口にサーキュレーターを設置し室内へ冷風を送り込む、さらにVENTsanの換気風量を最大(Max4)にしてみました。サーキュレーターの風と換気扇の吸い込みで冷気を引っ張ってくれるかなと思ったのですが、中々上手くいきません。

エアコンが設置されているリビングと2F読書室の室温は下がっていますが、2階の寝室と子供室が思うように下がっていきません。温度差も3℃前後ありますね。寝るときは扇風機などで空気を循環させないともわっとした暑さが中々逃げていかず非常に不快です…。

寝室と子供部屋の夜間は、暑いうえに相対湿度も非常に高いので『不快』そのもの!

絶対湿度を見てみると、外気温とほぼ同じ数値となっていました。
これが何を意味するかと言うと「外気が入ってきすぎている」という事。つまり『換気のしすぎ』です。これではせっかくの熱交換換気も意味がありません。力わざの空調計画は上手くはいきませんね。

と言うわけで、改善です。データの考察と改善案の相談に乗って頂いたのは自立研関東ゼミの皆さん。

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ここでのディスカッションで頂いたアドバイスをもとに改善し、再度実測します。

改善後

今年(2025年)9月7日(日)、8日(月)のデータです。

日中は1階リビングの西面にシェード、今年から南面にすだれを設置、2階の吹抜はハニカムスクリーンを下ろしたまま過ごしました。
リビングの温度変化が緩やかで、すだれとシェードの日射遮蔽が体感としてもかなり効いているように感じました。やはり『日よけは外で』は夏のキーワードですね。

今夏は2階の読書室のエアコンが常時稼働していました。日中は設定温度23.5℃、就寝時は27.5℃に設定しています。低めの温度に設定したエアコンからの空気が室内の空気と混ざり27℃前後の室温になっています。
全体的に各部屋の温度差が小さくなっているようです。

相対湿度は40~70%のエリア、平均で55%位でしょうか。

絶対湿度関しても、15g/㎥(≒12.5g/g(DA))辺りを推移しており、エアコンを23.5℃で温度設定を低めにして運転している事での除湿が上手くいっているようです。

前回との比較

前年の実測と比較するとしっかり改善されていることがわかります。

今年の方が居室間の温度差が小さくなっています。特に20時頃からの室温の動きが明らかに変化しました。

相対湿度も昨年に比べ全体的に低く抑えられていると言えますね。室温が低く相対湿度も低いという事は…

当然、絶対湿度も低く抑えられています。寝苦しかった寝室の環境も改善されました。
寝室に関してはサーキュレーターの使い方を変えました。前述のとおり、昨年は室内へ冷風を送り込むように寝室の入り口にサーキュレーターを設置し室内に向かって風を送る「力わざ」をしましたが、使い方のアドバイスを先輩方から頂き、寝室内に上向きで設置しました。これがすごい。数値的にも効果は明らかで、体感的にも天井から冷気が落ちてくるような涼しさを感じられました。

寝室だけにフォーカスしてみるとサーキュレーターを上向き稼働させている時間帯の温度がグッと下がっているのが分ります。

オレンジが2024年8月、グレーが2025年9月

就寝時の温度の変化が真逆ですね。

オレンジが2024年8月、グレーが2025年9月
オレンジが2024年8月、グレーが2025年9月

室温も下がり湿度もしっかり下がり、且つサーキュレーターによる間接的な対流による涼感を感じるくらいに過ごしやすくなりました。

さらに快適に

「夏涼しく冬あたたかい」という文句は断熱だけにこだわっていては成り立ちません。断熱の恩恵を多く受けるのは冬で、夏は日射遮蔽の計画、空調計画等もしっかりと考慮する必要があります。

「エアコン1台で快適に」なんて謳い文句はよく聞きますが、そこにこだわり過ぎてしまうと個人差はカバーできないケースもでてきます。家族構成、どの部屋に何人で寝るのか、暑がり寒がり…などをヒアリングした上で、今だけでなく将来も見越した設計が必要になります。

温度の体感に関しては個人差があります。寝室も日によっては妻から少し寒いと言われる事もあります。
我が家の場合は、設定温度の微調整やサーキュレーターの使用方法、服装などで調整していきたいと思います。来年はさらに快適にさらに省エネで豊かな暮らしができるよう改善していきたいと思います。

改めてアドバイスを下さった皆さん、個別に自宅まで来て検証してくださった方々ありがとうございました。

今週もブログを読んで頂きありがとうございました。
昆虫も高気密・高断熱住宅もやっぱり「夏」が面白いです。

深澤

periwinkle -Simple Sustainable Serenity-
ペリウィンクルは群馬県前橋市で、高気密・高断熱住宅の新築・リフォーム・リノベーションの設計、施工を行っています。
耐震等級3(許容応力度計算)・UA値0.34・C値0.3・自然素材・工務店
前橋市・伊勢崎市・高崎市・みどり市・桐生市・玉村町

このブログを書いた人

Fukasawa

深澤 健(ふかさわ けん)
1982年生まれ
家族…………妻、息子、娘、ドジョウとメダカとテトラ、カブトムシとクワガタ(夏のみ)
好きなモノ……コーヒー、美術館、ラジオ、ウィスキー、スポーツ鑑賞
動物占い………ペガサス
仕事……………住宅設計、現場監理
資格……………2級建築士・環境省うちエコ診断士・暮らし省エネマイスター・木構造マイスター準1級

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