空気から感じること

みなさんこんにちは。

関東地方もようやく梅雨入り。これからムシムシした湿度との戦いの日が続きますね。
今日の前橋の予報は37℃。強い日差しを浴びながら、お昼ごろ自宅に帰ると日よけをしているおかげか、室内は涼しく感じました。
「さすが高性能住宅」と妻のことばがうれしい。

プール開き

週末、我が家に妻のいとこ家族が遊びに来てくれました。

大学から金沢で過ごし今年の4月に群馬に戻って来たそうで、妻も久々の再会を喜んでいました。子どもたちも年が近い事もあり、この季節なのでプールでお出迎えです。

元日の地震の事、金沢での事、群馬での生活の事など時間を忘れて話が出来ました。話を聞いていると石川県繋がりで共通の知り合いもいたりして、世間は狭いななんて話で盛り上がりました。

空調を学ぶ

先日、自立循環型住宅研究会関東ゼミ(通称:自立研)に今年も参加しました(オンラインで)。講師は鳳建設の森亨介さん。
テーマは『空調の基礎』、具体的に言うと温度と湿度です。

私たちの理念には

安心・安全な家づくりを通じ、健康的で豊かな暮らしを提供します

という箇所があります。理念に基づいた家づくりをするにあたり高気密高断熱の事、耐震の事を学ぶのはもちろん、健康的で豊かな暮らしには、空調の知識は絶対に必要な知識です。
今回も湿り空気線図を片手に勉強させていただきました。

線がいっぱい描かれているよくわからない図に見えるかと思います。ですがこの図から様々な事が読み取れます。

・温度
・相対湿度(空気中に含まれる水蒸気の割合)
・絶対湿度(目に見えない水蒸気が空気に溶け込んでいる量)
・比エンタルピー(空気そのものが持つエネルギーの量)
見るポイントとしては上記の4点。

今日の最高気温が37℃と朝のニュースで言っていたので、学んだ事を復習してみることにしました。
今日の正午ごろの自宅(前橋市)の温湿度計です。上が屋外、下が屋内の表示です。

これを湿り空気線図に落とし込むとこんな感じです。
2024年6月24日 12時頃
屋外 (温度)34.9℃ (相対湿度) 53% (絶対湿度)18.8g/kgDA
屋内 (温度)27.0℃ (相対湿度) 69% (絶対湿度)15.5g/kgDA

この時間、外は蒸し暑く非常に不快でした。室内に入ると無暖房でしたが、少ししっとりした空気を感じつつも結構涼しい。

屋内と屋外を比べると、温度や湿度だけでなく「比エンタルピー」に大きな差がある事が分ります。前述のとおり、比エンタルピーは空気が持つエネルギーですから、今日の屋外の空気は非常に大きなエネルギーを持っていたと言えます。
ちなみに、比エンタルピーが80kJ/kg(DA)を超えると何もやる気が起きなくなる環境と言われています。今日の正午ごろは83.3kJ/kg(DA)ですから、人がやる気を失うような環境だったわけですね。

そういえば高速の高架下の側道に休憩している(と思われる)車がたくさん有ったような・・・

デスバレー(@アメリカ)と比較する

今日の前橋とデスバレーを比較してみました。

アメリカのデスバレーと言う地域は、温暖化の影響もあり50℃を超える日もあるとか。
手元の空気線図には50℃以上の表記が無いので、ある日のデスバレーの気温(温度48℃、相対湿度10%)を空気線図に落とし込んでみます。

比エンタルピーは66.3。。。

今日の我が家の比エンタルピーは66.7ですから、48℃のデスバレーの比エンタルピーよりも我が家の比エンタルピー方が若干大きい数値という事です。

前橋の屋外(83.3)とデスバレー(66.3)の比ンタルピーの差は、さらに大きくなります。
気温だけにフォーカスすると、デスバレーはまさに地獄のようですが、湿度・エンタルピーを含めてみると前橋の方がはるかに不快で過酷な環境と言えます。

日本の夏は高温多湿。こんな日がこれからあと2~3か月続くのですから、室内はできれば快適な状態にしておきたいですね。比エンタルピー 83.3kJ/kg(DA)の空気を快適な状態に空調管理をするには、温度を下げたり湿度を下げる必要がある為、大きなエネルギーが必要になります。また、温度・湿度・比エンタルピーというそれぞれの視点から、それぞれどの範囲が快適と感じるのかを知っておく必要があります。

エアコンをガンガンつけて冷やすだけではなく、日よけによる日射遮蔽をしたり、夜間に風を取り込んだりとエネルギーを使わない工夫もうまく取り入れながら快適な住環境をつくっていきたいですね。

日本の夏を憂う

今日の日本の夏は世界と比べてもかなり過酷な環境です。
温暖化の影響で40℃越えの日も年々多くなってきました。加えて高い湿度。

今日の前橋の絶対湿度(目に見えない水蒸気が空気に溶け込んでいる量)は18.8g/kgDA。数値を変えずに気温だけ45℃にすると、比エンタルピー93.9kJ/kgDAとおそろしい環境になります。もしかしたら近いうちにこんな環境の日が来るかもしれません。

そんな環境だともしかするとプールも安易にできなくなるかもしれませんね。

これ以上過酷な状況にならぬよう、私たちは地球環境に貢献できる家づくり・暮らしづくりを地道にやっていきたいと思います。

今週もブログを読んで頂きありがとうございます。
どんな環境でも子供たちがプールではしゃぐ姿は微笑ましく癒されるんでしょうね。

深澤

periwinkle -Simple Sustainable Serenity-
ペリウィンクルは群馬県前橋市で、高気密・高断熱住宅の新築・リフォーム・リノベーションの設計、施工を行っています。

耐震等級3(許容応力度計算)・UA値0.34・C値0.3・自然素材・工務店

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