ミス無く、美しく
みなさんこんにちは。
毎年5月は幼稚園の保育参観が行われます。2歳クラスの娘と年中クラスの息子。先日、二人が幼稚園でどんなことをしているのか少しだけ覗いてきました。
娘は色紙をくしゃくしゃにして丸い枠に張りつけたり、絵の具の付いた綿棒をトントンして雨を描いたりと楽しそう。年中クラスは使う道具も材料も多く、必要なものが入った箱が席に置いてあります。先生の指示に従い使うものを出し、使わないものをまた箱に戻したりして机の周りを整理しながら作業をしていました。
手先の細かい作業ができるのも大事ですが、整理整頓しながら何かをするって大人になってもとても役に立つ事。
その後出社して、まずデスクの周りの整理から始めたのは内緒です。
Japan Housing Quality Award 2023
㈱NEXT STAGEが主催する、『Japan Housing Quality Award 2023』に出席しに大阪へ行ってまいりました。
まずこのアワードですが、住宅の性能やデザインではなく、住宅の施工精度・施工品質といった「製造力」を評価するアワードです。完成したモノではなく、今まであまり『賞』としては注目されてこなかった「施工」分野の重要性に改めてフォーカスした賞です。
会場は大阪市中央公会堂。大正時代に建てられた歴史的建造物です(外観撮り忘れた)。
そして主催の㈱NEXT STAGE様ですが、私たちとの出会いは2014年までさかのぼります。
とある勉強会で小村社長が「自社の施工手引書」をつくり、ルールを決める事で品質・精度を高めていけるというお話をしてくださったのが最初です。
2014年の私
その当時、建築業界に入って間もなかった私は焦燥感に駆られていました。何故って、一番年が近い先輩(上司?)が58歳、その上が68歳。それに31歳の私という3人体制で、しかも先輩方は自他ともに認める教え下手だった為、日々迫りくるタイムリミットを前に、先輩方の建築の知識と経験をなるべく多く、なんなら全部残していって貰わねばなりません。
同じ図面で建物を建てたとすると、会社ごと、なんなら職人さんごとに基準が異なる為、“違う建物”が出来上がると言われたりする業界です。例えば使用する金物や資材、補強筋の入れ方、ビスのピッチ…。決まっているようで決まっていない。
実際、上司に言われた施工方法を大工さんに伝えると「こういうやり方もあるんだよ。」と別の施工方法を言われ言われることもしばしば。
そんな時に教えて頂いた「自社の施工手引書」をつくるという概念。
当時の私には、品質どうこうより(←失礼!)これを先輩、大工さん、各職人さんとじっくりとお話をして作成する。脈々と続いてきた「深沢の家」を残すことが10年前の私には何よりも重大なミッションと考えていました。
数か月の時を経て、オリジナルの「標準施工手引書」の第1版が2015年の1月に完成します。そこからはそれを教科書として私はより建築を学び、それをバイブルとしてより高い品質・精度を意識した施工を、その考えに共感してくださる職人さんと共に工事を続けております。
私にとっては大ピンチを救ってくれた恩人でもある㈱NEXT STAGE様が主催という事もあり、私たちは「ビワの木の家」でエントリーしました。残念ながら受賞とはなりませんでしたが、受賞された会社様の事例を見るとまだまだ私たちの現場もまだまだ負けていられませんし、もっと良くしていこうとも思います。
いかにミス無く、且ついかに美しく施工するか。
「きれいな現場では施工ミスが起こりにくい。」
総評ではそんな言葉がありました。今回のデータに裏付けられているという事でした。
現場が変わると品質が変わる。
まずは整理整頓なんですよね。また気を引き締めて丁寧に家づくりをしていこうと思える1日でした。
せっかく大阪まで来たので、ちょっとだけ建築を見学して帰路に。
大阪市中央公会堂と大阪府立図書館、2度目の司馬遼太郎記念館。
今週もブログを読んで頂きありがとうございます。
司馬遼太郎記念館はどことなく昆虫の森に似ているなと思っていたら、どちらも安藤忠雄設計でした。
深澤
periwinkle -Simple Sustainable Serenity-
ペリウィンクルは群馬県前橋市で、高気密・高断熱住宅の新築・リフォーム・リノベーションの設計、施工を行っています。
耐震等級3(許容応力度計算)・UA値0.34・C値0.3・自然素材・工務店