ビワの木
みなさんこんにちは。深澤です。
先日高崎市楽間町にて上棟式を執り行いました。F様おめでとうございます。
当初の予定を約一週間ずらしての開催となりました。
非常に暑い日になりましたが、大工さんたちの協力のもと無事棟上げとなり、一安心。
お施主様からも「感動しました」と感想を頂きました。
奥様にとっては特に思い入れのあるご実家の建て替えとなります。
この辺りは高崎市の中でも比較的古い住宅街であり近隣との交流も多いようで、お隣との敷地境界にフェンスなどを設けていないお宅も多い地域です。工事のあいさつ回りをしていても「うちの敷地に車停めていいよ。」とか「うちの庭通れば近道で現場に行けるよ。」と小さな住宅街ならではの気遣いまでして頂きました。
そのような関係性の中にあるこの敷地は、明確に隣地との境界が分けているわけではなく、庭の草木がやさしく遮ってくれています。境界を曖昧にすることで、圧迫感のある街並みでなく少し広がりのある街並みにしよう、お互いの庭の緑を窓越しに貸し借りし窓からの景色を贅沢にしようなんて言う地域の工夫や知恵があったのかもしれません。
F様の敷地もあいまいな境界を持つ敷地です。
事前の打ち合わせで初めてお伺いした時から、その庭にある一つの木が気になっていました。
「子供の時に種をまいたビワが大きな木になったんです。この木に実がなると小鳥が食べに来るので、それを子供たちと見るのが楽しみなんですよ。」と奥様。
このビワの木はF様ご家族にとって重要な存在であり、そのビワの木が眺められる窓を計画したらどんなに豊かな空間になるだろうかと思い、ダイニングの大きな窓からビワの木が見えるよう設計を整えていきました。
敷地の東側の庭にあるビワの木は、西側の道路からは建物の裏側に位置するため見ることはできません。
「東側に大きな窓」だけ聞くと、断熱的に弱点になるという意見もあることは承知の上です。
まあそれはその通りなんですが。
ですがその弱さを補う方法はいくらでもありますし、それ以上に「そこから見えるものが与えてくれるモノ」を大切にしたいと考えています。
「何を見て生きるか」
『ビワの木の家』と名付けました。
ビワの木が見える家です。窓から見えるビワの木を見て何を感じて頂けるのか、今から楽しみです。
今週もブログを読んで頂きありがとうございます。
「窓から見えるもの」を大事にしていきたいですね。
深澤
periwinkle -Simple Sustainable Serenity-
ペリウィンクルは群馬県前橋市で、高気密・高断熱住宅の新築・リフォーム・リノベーションの設計、施工を行っています。
耐震等級3(許容応力度計算)・UA値0.34・C値0.3・自然素材・工務店