くらし語り -F様/ビワの木の家-

高崎市内の昔ながらの住宅街。緑の多いこの地域に馴染む杉板張りのお住まいがF様のご自宅です。

Q.建て替えだったとの事ですが、以前はどんなお住まいでしたか?

今までは築50年の実家に住んでいました。ガラスは単板で断熱材も入っていなかったため、エアコンがまったく効かないんです。夏は家族そろってダラダラ汗をかいてしまって、まるで我慢大会のようでした。

冬も隙間風や窓の結露が酷くて、少しでも断熱効果が高まればと梱包材のプチプチを窓ガラスに貼ったりしていましたね。なかでも特に嫌だった
のは梅雨や夏の湿度です。空気の流れが悪いせいか部屋に湿気が溜まってジメジメ感が抜けず、色々なところにカビが生えてしまっていたんです。収納棚なら除湿剤を置いたり新聞紙を敷いて小まめに交換するなど、今振り返れば苦労が絶えませんでしたね。

Q.periwinkleと出会ったキッカケは?

1年を通して夏の暑さや冬の寒さに影響を受けない高気密・高断熱、そして太陽光を乗せることでエネルギーが自給自足できたり、陽の光を取り込んで室内を暖めるなどエアコンに頼らずとも快適に暮らせるパッシブハウスに憧れていたんです。そういった住まいが得意なことに加え、施工を下請け業者に任せるのではなく専属の大工さんがいて、さらに会社として長い歴史があることを条件に依頼先を探したところ、辿り着いたのがperiwinkleさんでした。

Q.periwinkleに家づくりを依頼した決め手は?

一つは、換気にこだわっていた点です。以前の家では湿気が部屋に溜まることが本当に嫌だったので、periwinkleさんのダクトレス第一種熱交換型換気システムなら安心でしたね。

実際に建てた家を見学したときも、玄関から入った瞬間に木の心地よい香りを感じました。他に検討した会社では見学会に参加したときに建材特有の臭いが合わなくて、この経験もperiwinkleさんを選んだ決め手の一つです。また、担当の深澤さんは裏表が一切なく、言葉の節々から「家づくりが大好き」「自分の建てる家が住みやすくて快適という絶対の自信」が伝わってきましたね。私たちは家のことについて詳しくありませんが、この人なら、こちらから細かいことに口を出さなくても「任せておけば素晴らしい家を提案してくれそう」と心から信頼できました。

予算に限りがあることを伝えたときも、「その範囲で実現できるように方法を考えましょう」と言ってくれたことが嬉しかったです。

その内の提案の一つである、珪藻土DIYの様子

Q.実際の住み心地について教えて下さい。

今年の夏は基本的に冷房ではなく除湿機能を「弱」で設定しました。驚いたことにそれだけで充分に快適に過ごせましたね。冷房は本当に暑かった日に2、3回使っただけで、換気システムのお陰で湿気が溜まることもなく、今までと違って本当に「空気が美味しい家」だと感じています。

また、以前の家では暑いと頭がクラクラして、ちょっとした作業でもまったく手が進みませんでしたが、今は常に適温で温度差もないため作業効率が格段に上がり、気持ちに余裕が持てるようになりましたね。健康面でも疲労が蓄積しにくくなったほか、夜に寝苦しさで目が覚めることもなくなり、朝晩の寒暖差の激しい春先や秋口でも体調を崩すことがありません。子どもも頻繁に友人を連れてくるようになり、お陰様で生活スタイルが大きく変わりましたね。

Q.冬はいかがですか。

冬の日中は、晴れれば窓から太陽の光が入ってきて室温が20°Cくらいまで上がるので無暖房で充分に過ごせます。窓際ですら暖かいので、のんびりと外の景色を眺めたり今までとは違った楽しみ方が可能になりました。

また、余ほど寒い日でなければ、主に使用するのはダイニングキッチンのエアコン1台だけ。基本的に24°C設定で、暖かい空気は階段を通じて上に移動するので2階でも快適だし、トイレや脱衣室、浴室でも温度差をほとんど感じません。就寝前にはエアコンを停止しますが、どんなに寒いときでも朝方に15°Cを下回っていることはなく、光熱費も以前の家と比べて半分くらいに抑えられています。それ以上に灯油を買う・入れる手間がなくなったのも嬉しいですね。

奥様は陶芸のお仕事をされていますが、そのあたりのお話もお聞かせいただけますか。

私は陶芸の仕事をしていて、今までは敷地内にある作業小屋で作業をしていました。冬は寒すぎると粘土が凍ってしまうため、発泡スチロールの容器に入れて暖かい場所で保管しないといけなかったり、ろくろで陶器を成形するときも氷水のような感覚になるほど本当に冷たくて、手が「あかぎれ」になって出血することもありました。この家を建てる際にアトリエスペースを作ってもらったので、今ではそういった手間や症状が一切なくなり、夏も冬も同じ環境で作業できるなど気持ちの面でも余裕が持てて作業効率も上がりました。

Q.その他に変化した事はありますか。

以前(建て替え前)、ハムスターを飼っていたのですが、その時は冬の寒さに弱いのでケージの下に電気カーペットを敷いて適度に暖めていました。今は文鳥を飼い始めたのですが、家中が暖かいので気兼ねなく放鳥できるなどペットも飼育しやすい環境にありますね。

それから、お風呂に対する考え方がガラッと変わりました。以前の家では、冬にお風呂に入る目的は「冷え切った体を暖めたい」その一心でした。それに入浴時は、最後は湯舟に張った熱々のお湯で体を暖めないと寒い脱衣室に出られませんでしたが、振り返れば確実に「ヒートショック」な状態で、体に相当な負担がかかっていたんだろうなと思います。対して今は、お湯の温度は40°Cで、ゆっくり入浴して丁度いいくらい。当時に40°Cではすぐにお湯が冷めてしまってまったく体が温まらず絶対に考えられませんでしたが、お陰で入浴が心からリラックスできる時間に変わりましたね。

Q.ペットも含め、住まいの「快適さ」を感じてらっしゃるんですね。

「家中が暖かい」これがどれだけ幸せなことか日々、実感しています。以前は、外はもちろん家の中でも寒さに耐えなければいけなかったため冬が嫌いでしたが、今はどの部屋にいても暖かいので心から冬を楽しめるようになりましたね。まず、朝起きる際に布団から出る勇気は要りません。
着替えるときも石油ストーブの目の前が絶対で、その場所を取り合っての子ども同士でのケンカが日常茶飯事だった過去が嘘のようです。そもそも薄着でいられるから服を着込む負担が減り、気持ちもラクになって行動範囲が大きく広がりましたね。

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住環境が暮らしや健康にもたらす影響をたくさん語っていただきました。みなさん健康にお過ごしくださいね。
ありがとうございました。

取材協力:IECOCORO編集部

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